16日 飲み終わった後結局帰らず満席で入らなかったいつもの店に寄ることにする。今夜は誰かに会いそう。
店に入るとカウンターに座っている3人とも知った顔だった。俺はウイスキーをロックで頼んだ。
左に座ってる人は先週結婚式を挙げたらしい。おめでとう、どうかお幸せに。
最近聴いている音楽を教えて、とのこと。
こういう場で聞かれた時は戸惑うことなくありったけをぶつけられる。
面白そう!いいもの知れた!と喜んでくれた。
俺も嬉しい。
その人が帰ると入れ替わりのように友だちといつもの先輩がやってきた。誰かに会いそうな予感は当たっていた。
店長とカウンターにいるみんなで映画と音楽の話で盛り上がった。
バンドが解散してから悩んでいた先輩、最近は曲がよくできるらしい。
俺は自分名義でこの世に1枚でも音源を残すことにした、と。
あなたのギターが欲しかったら弾いて欲しいと伝えてくれた。任せてくれ。
この店があればなんだかんだ俺は大丈夫なのかもしれない。
そう思う度にいつも店長がこの店を畳む時のことを考える。
俺はどうやら終わりのことを考える癖があるらしい。
家に向かって歩いて帰る。
下り坂、信号も無意味なほど人気のない道。
向かい風を浴びた。
ああ!俺は今無敵の気分だ!
17日、と言っていいのか、結局一睡も出来なかった。予想はしていた。
そのまま日勤へ。
患者さんといつもよりたくさん話した日だと思う。
あなたは若いのに私とよく考えが似ているね。と微笑んでいた。
ポジティブは救いにはなり得ない
諦めという受け入れに救われる者もいる
お互いに心に持っていたものだった。
後者ってこれもある意味ポジティブ?どうでもいいか
19日 夜勤明け。
最近職場の人たちが前よりも気さくに話しかけてくれる。なんだかんだ楽しく気楽に働けている。
みんな俺のことをまるで知り得たかのように話してくる。
悪い気はしない、俺自身俺がどういったニンゲンなのかあまりわからなくなっている。
でもきっと全て当てはまっているのだろうな。
その場の顔で俺は何者にでもなれるぜ!
退勤してから別部署の先輩と帰り、高槻のカレー屋に連れて行ってもらった。
その後も阪急百貨店などに寄りずっとぶらぶら。ヘアワックスや香水、その他諸々。俺はあまり興味がないが。
1つ年上なだけなのに違う世界の大人、兄貴って感じ。
いつも明るく悪く、生きてるエネルギーが俺には嫌味なく眩しく感じる。
おそらく1番長いこと一緒に煙草の煙をくゆらしている人。
この人と別れる時、気持ちがスッキリしている。
お互い適当に関われているのだろう。
帰りの電車は大阪方面京都方面ともに少し遅れていた。
新大阪駅に着くと切符売り場付近でキャリーケースにもたれ掛かり泣き崩れている女性がいた。
理由はそれとなく察しがつく。こういう人たちを何人も知っている。
知らんふりするかどうかかなり迷った。が、コンビニへ向かいとりあえずティッシュと常温の水を買った。
通りすがりの女性にでもお願いして渡してもらおうと思った。
戻るとその女性の周りに3人の女性がいた。自分よりも強く迷いのない人たちはたくさんいるよ。
すぐに女性の駅職員が駆けつけてきたので、その人に購入したものを渡した。袋の中身を説明し、不審さがないと判断できたら渡して欲しい、と。
俺を含めた周りに集まった人たちもこの女性にとっては迷惑だったかもしれない。みんなあなたにとって勝手だったんだ。その時は呪ってくれて構わない。
泣き崩れていたあなた、あなたはあなたの世界で1番悲しく苦しい人だと思う。
誰かにとっての辛いことはその人にとって世界で1番辛いことで比べるものでもない。きっと。
明日の授業だりぃ〜と思っているギャルだって世界で1番辛い。
ああでもギャルなら自分のことなんか差し置いてウチ話聞くよ???ってあなたとともに泣けるのかもな。
ただのおっさんにとっての理想のギャル像かもね。
まあでも悲劇のヒーローヒロインぶられるのは癪だけど。
コンビニの前で煙草を1本終えた。そろそろ帰ろう。
明日の夜勤、また連直なん?とリーダーナースに言われるだろう。
そうなんです、仮眠長めにくださいねとまた返そう。
昼に食べた1キロカレーのダメージがでかい。
しばらく何もいらない。
量こそ正義!デカさこそ正義!みたいなの割と好き。
高槻という街で初めて過ごしたな。太陽が昇っている時間と沈んだ時間。
こういう風に過ごす街を増やしていきたいな。
疲れ切っていてきっとこの記録は支離滅裂