昨夜は夜勤明けにも関わらずなかなか寝つけなかった。
思考が巡っていた。ここ数ヶ月、精神状態も生活も良くないことは把握している。心と体を壊して働けてなかったあの時期よりも。過去一どん底というやつだろう。その癖、危機感がない。どうにでもならないことはわかっているのに、わかっているから?
人を大切にするとは?思うことは簡単、それの実現とは?
まず自分を大切にとは良く聞くが、なぜ自分を大切にしなければいけないのか。
ああ、これを書きながら思う。それは他人を大切にできるようになる為だろうな。
22時頃に寝るのを諦めた。飯を食いシャワーを浴び直す。
風呂から上がると妹から連絡があった。父親の愚痴だ。
父親の考えを理解するのはこれから大人になっていくにつれてだろうと思いそれとなく妹の話を聞いていた。どうやら父親の考えもわからんでもないらしい。俺が思ってるより妹は大人になっていた。
翌日、先輩のバンドのライブがあり、縁あって招待されていたので妹を誘ってみた。知ってるバンドらしく、行くとのこと。楽しみだと言ってくれた。
少しでも君の気晴らしになれるなら。
それからはすんなりと眠れた。
16日、12時頃に目が覚めた。風を浴びたかったので髪を結び外へ出て煙草を吸った。洗濯物を干し風呂は入る。いつも出かける前にシャワーを浴び直す。
16時半頃にバス停へ向かう。17時半に妹と待ち合わせをしていた。
今日はいつもと違う行き方で市内へ向かった。
気温は夏そのものだが日が沈むのが早くなっていることを感じる。
暮れていく陽の下の阪急電車と街並みとても美しい。
妹と合流し、大学生になった妹の近況や俺が顔を出さなかった親戚の集まりの様子を話すなどし会場へ到着。
誘ってくれた先輩というのは俺が音楽をやっていた時期の大半を一緒に過ごした人だ。今でも数ヶ月置きに会っている。
正直言ってそのバンドの音源自体はあまり聴いてこなかった。新譜が出ればチェックするくらい。
だがやはりステージの上の彼は彼だった。儚い狂気が滲み出ている。付き合いが長いから感じることなのだろうか。会場にいる何人がそれに気付くのだろう。
何をやっているかも大事だろうが、所謂オーラとして現れる内包されてるものは何を考え何をやってきたかなのだろう。
帰り道に実家の犬の話をした。
今何歳くらい?もう10歳くらい、でもなんも変わらんで。
相変わらずアホなん?うん、アホやで 落ち着くと思っててわけどなあ。
俺は脳裏に寿命のことが思い浮かんだが、妹にその話をするのはやめた。生活ではできるだけ温かさを見つめていてほしい。
途中でいい匂いのするパン屋があった。行列ができていた。
俺は自死した母親を思い出した。妹とは姉妹のように仲が良かった。
これ、お母さんやったら絶対買って帰るやろなあ。
うん、いっぱいになるまで買い込むやろな。
妹は笑いながら答えてくれた。
俺たちのこの会話に母親は微笑んでくれただろうか。
妹を地下鉄の改札まで見送った。今度はご飯行こうなと言い合った。
改札を通っていく後ろ姿を見送りながら幸せであるよう願った。
妹と別れ、住む街に帰ってきた。行きつけの店に寄ったが満席だった。
近くにある店に寄り今これを書いている。
テレビの下のスピーカーからアメリカのキャバレーを感じるジャズが流れている。
時代や場所をイメージさせる音楽は素晴らしい。
ここはご飯が美味しい。ビールは苦手だが何となく飲みたい気分だったのでビールを飲んでいる。やはり苦手だ。
明日は日勤で朝が早い。今はここで3本目の煙草。今日の妹との時間を思い返し夜の秋の気配を感じながら歩いて帰ろう。帰ったら部屋を冷やし風呂に入り布団に潜ろう。深い夜の相手はまた今度。
俺は何をやってきたのだろう。