自分の感じたこと思ったことを書き連ねることで落とし込まれてくる感情。

その一連の流れをSNSでネットの海に投げ捨ててしまうとその一時的な満足感だけ得られ、電脳の海に流れてしまう。故にこの場所に自分の為の手記として。一方的だとしても忘れたくない思い出。一方的でもいい。推敲などしない。ここならば電脳の波に流されないよね、きっと。

 

夜勤明け。帰宅し飯を食いベランダで煙草を吸う。ふと8月に東京から帰ってきた友人を迎え先輩たちと飲み明かした日のことを思い出した。

この友人はこの街の行きつけの飲み屋で知り合った同い年の男性だ。音楽の話から始まり意気投合した。地元や学生時代の同級生など縁が切れたも同然で、仲良く程よい距離でいられるのが本当に嬉しかった。こいつが仕事で東京に越すと知らせを聞いた時は薄ら涙を浮かべたほどだ。

 

この日のスタートは出会った店で共通の先輩(俺にとってはバンド活動期に知り合った10年来の先輩)と3人で飲んでいた。それから別の行きつけの店へ行き、そこで知り合った友人と会わせたくて勤務後に呼び出した。

店を変え4時頃まで4人で飲んだ。4人で最後はこの街の出禁共が集まると言われているバーに行った。みんな音楽が好きでほぼほぼ音楽の話ばかりしていた気がする。好きな曲の教え合い、そしてそれに共感。自分はこの時間が1番好きだと再認識した。

この店にいた常連や後できた女性たちがいた。先輩は知り合いらしく、みんなで話すタイミングがあったが自分はそれがどうしても嫌だった。

俺たち男4人の時間を邪魔しないでくれ!

心でそう叫んでいた。翌日先輩に良くないよ!と注意されたが、あからさまに跳ね退けるオーラが自分から出ていたらしい。でも俺はあなたのそういうとこが好きやで!とも。ああこの人はずっと酔ってるな。

 

その日の朝日は優しかったことを覚えている。東京から来た友人は先輩の家に泊めてもらうことになっており、自分はどうしても小便がしたく、先輩の家に寄った。そこで先輩の変則チューニングのギターを手に取り適当に爪弾く。2人とも気が付けば寝ていた。ああ俺もこのまま床で寝よう。

 

目覚め、みんな酒が残っていた。またギターを弾く。技術をひけらかすとかやなくて空気として誰かが弾いてるのめっちゃええよな、と先輩が言う。確かにそうだ。楽器を数年続ければ忘れがちだが、この先輩だからこそさらっとこの言葉が出てきたのだろう。ちなみにこの人は歌が引くほど上手い。彼自身の曲の良さももちろん、あれ歌ってと言えば弾いたことなくてもそのまま弾き語りができる。音楽に救われ音楽に縋り耳コピばかりしてた時代の賜物だろう。そういう類いのものは裏切らないし人を魅了する。

 

昼頃にパスタをご馳走してくれた。久しぶりに2人前作ったから量わからんかったわ!

彼は同棲してた婚約者と別れたのだ。その自虐に俺たちは大笑いをした。

 

東京から来た友人を見送った後も先輩に連れられ夜21時頃まで飲んだ。帰りたかったが。

帰り道、べろべろのこの人は手を握って帰る!と言い出した。本当にめんどくさかった。やめて欲しかった。こんなおじさんにはなるまい、と。

 

書きながら改めて思う。大切な人たちには健康でいて幸せが訪れてほしいと。この人たちのこともこの気持ちも忘れてはならないものだと。

そしてやはり思う。一方的であっても構わないと。むしろそうでありたいと願うこの頃。

まあ雨が降った時にでもふと思い出してくれたらな。都合の良い話だな。自己憐憫に陥らない線引きも必要だな。

 

これを書いている今は17時46分。

良い音楽を知りそれを勢いでSNSに載せたがどうにもむしゃくしゃして消した。これこらもきっとそうし続ける。

布団を少し被れるくらい室温を下げ、ベッドに横たわっている。ふと駅の階段の頭上で起こっていた水漏れの様子を思い出した。水に意識があれば普段通るはずの景色との違いにわくわくしているのだろうかなどと考えながらバスに乗り込んだ帰路。最後に1本吸って眠ろうと思う。その約5分間何を思うのだろうか。